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私たちは毎日、団地団地…と言っているのですが、そもそも団地とはどのような定義だと思いますか? さて、「団地」という言葉を聞いて、何を思い浮かべるでしょうか? 多くは、コンクリートの集合住宅、外階段、そして公園が一体となった風景かもしれません。この単語が持つ意味は、単なる「集合住宅」という枠を超えています。日本の戦後社会が目指した「理想の暮らしそのもの」を表しているのです。

団地が持つ「フォーマット」

辞書をひくと、団地とは…「同じ機能を持つ建物や関連施設をまとめて、集団的に開発された一団の土地」を指します。本来、住宅に限りませんが、私たちが日常的に使う「団地」は、主に1950年代半ば以降、日本住宅公団(現:UR都市機構)や自治体などによって集中的に供給された「住宅団地」を省略した言葉です。単なるアパート群と一線を画すのは、その背景に、都市計画に基づいた明確な「フォーマット」があるから。団地建設の目的は、戦後の急激な人口増加による住宅不足の解消でした。

そのため、大規模な敷地に対し、複数の住棟だけでなく、道路、上下水道、そして生活利便施設(店舗、小中学校、公園など)を一体的かつ計画的に整備することが必須とされました。都市計画法で定められる「団地の住宅施設」の概念がこれを象徴しています。「50戸以上の集団住宅」を核とし、付帯施設を含めて計画されたエリア。団地は、単に住居を提供するのではなく、「住居」と「生活機能」をセットで提供する、コンパクトな街として設計されているのです。

建物と景観に宿る「団地カルチャー」

このような計画的なフォーマットから、団地独自のカルチャーが生まれました。これにはいくつかの視点があります。

① 建物の機能性:団地の標準的な間取り「2DK」や「3DK」は、それまでの生活から、ダイニングキッチン(DK)という「食寝分離」のモダンな暮らしを広めました。水洗トイレや内風呂、ステンレス流し台といった当時の最新設備を備えた団地は、庶民にとって「憧れの最先端」だったのです。

② ランドスケープと共用スペース: 団地の敷地では、建物が等間隔で配置され、豊かな緑地や公園が確保されています。これは、採光・通風を確保する設計上の工夫であり、同時に住民の交流の場を生み出す役割も担っています。子どもたちは安全な敷地内で遊び、人々は広場や商店街で交流する。団地は、現代のニュータウンやマンションの原点であり、人々が安心して暮らせるコミュニティを意図的に設計しようとしたもの。日本の「集まって住む」という夢の結晶と言えるでしょう。

私たちが団地にノスタルジーを感じるのは、単に古びたからではありません。そこには、戦後の日本人が豊かさを追い求めた希望の記憶と、当時の設計者たちが理想としたコミュニティのあり方が、風景として残り続けているからなのです。

written by ENJOYWORKS TIMES/TomokoSato