少し街を歩けば、必ず目にするコンクリートの集合住宅。それは、あなたの住む街にもあるでしょう。私たちは「団地」という言葉に、懐かしさや安定した暮らしのイメージを重ねますが、その数が日本全体でどれくらいあるのでしょうか?
団地が建設されたピークは、高度経済成長期まっただ中の1960年代後半~70年代前半。この時期、日本住宅公団(現:UR都市機構)だけでも約10年間で32万戸以上という驚異的なペースで住宅が供給されました。その規模は単なる建物群を超えています。例えば、国内で最大規模である東京都板橋区の高島平団地は、約10,000戸超で、その敷地面積は約36.5ヘクタール。(俗な換算ですが、東京ドーム8個分くらいの広さ)。まさに団地そのものが「まち」になっている地域もあるのです。
このまちにもあのまちにも…合わせて5000団地
このような大規模なエリアを含めて「団地」と呼ばれる公的な集合住宅ストックは、主に「UR賃貸住宅(旧公団)」と、各自治体が運営する「公営住宅」の2種類に分けられます。その総戸数は200万戸以上。団地数で言うと、約5000。今も昔も、日本の住宅ストックの大きな柱となっています。
しかし、最盛期から半世紀以上が経過し、この巨大なストックは今、大きな課題に直面しています。多くが築40年、50年を超え、老朽化と居住者の高齢化が深刻化しているのです。入居開始時に若年層の核家族が一斉に入居したため、時が経つにつれて住民の年齢層も一斉に上昇するという特殊な構造を持っています。この「一斉高齢化」が、団地再生の最大の課題。入居開始から40年以上経過した団地では、半数以上で高齢化率が30%を超えるということも。エレベーターのない団地がほとんどで、階段の昇降や、街区全体のバリアフリー…など、入居者にとっては生活の質(QOL)を大きく脅かす問題となっているのです。
大規模すぎる住宅ストック
かつて「憧れの住まい」であった団地群は、今後、現代のニーズに合わせた建て替えや大規模リノベーションといった「再生」を求められている途上。この巨大な住宅ストックを再生するため、ハードとソフトの両面から対策が急ピッチで進められています。
ハード面では、エレベーター設置や耐震強化などのバリアフリー化と、若年層を呼び込むための現代的な内装へのリノベーションが軸。また、住宅棟の「集約建て替え」によって、効率的な機能向上を図ろうとしている団地もあります。一方、ソフト面では、高齢者の孤立を防ぐため、空き住戸を福祉施設や多世代交流の拠点として活用する「コミュニティ再活性化」が焦点。買い物支援や見守りサービスもなど、「誰もが安心して暮らせる街」として団地を再定義し、未来に継承するための壮大な「まちづくり」の展開を初めている地域もあります。
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written by ENJOYWORKS TIMES/Tomoko Sato